安田均「ゲームを斬る」
もともと、テーブルトーク RPG が好きでよく遊んでいた。中高生の頃だ。
最初に遊んだゲームこそダンジョンズ&ドラゴンズだったが、おりしも世間はグループ SNE 全盛の時代。ソードワールド、ロードス島戦記、クリスタニア…、と次々出されるテーブルトーク RPG を遊びまくった(ちなみに、これらのゲームは背景世界は同じだが、システムはどれも異なっていた)。
本書「ゲームを斬る (Role&Roll Books)」は、グループ SNE の中心的人物でもある安田均の評論・エッセイ集。これは読まないわけにはいかない。ゲーム攻略本にまじって書店の隅に置かれていたのを見つけ、思わず購入してしまった。
二部構成になっていて第一部がボードゲーム、第二部が RPG の話になっている。そして、第二部の前半はボードゲームを RPG の観点から紹介したら、という趣向。なので、純粋に RPG の内容といえば全体の四分の一程度。ボードゲームはそれほど熱心なプレイヤーではなかった。しかし、それでも楽しめる内容。
なにしろ、紹介されるゲームはどれも素晴らしいアイデアとゲーム性に富んだ作品ばかりだ。そして、ただの紹介記事に留まらず、実際に遊んだときのゲームの感触や、アナログゲームの歴史、その作品のデザイナー個人の歴史とも絡めて、それぞれのゲームが楽しく語られている。
ゲーム好きなら、この本を読んでわいわいゲームをやりたくなるか、自分でゲームを作りたくなるかのどちらかだろう。