伊坂幸太郎「ラッシュライフ」
すでに本棚の肥やしと化していた「ラッシュライフ」を読了した。「オーデュポンの祈り」に引きつづき二冊目の伊坂幸太郎なので、一応、刊行順に読んでいることになる。もっとも、著者の本が文庫化されはじめた時期に衝動買いして、そのまま積んでいたというだけなのだが。
作品の感想は人それぞれ、どうやら評価の高い作品らしいので、個人的にトンデモに感じた箇所だけ挙げておく。
- 豊田の連れている犬が饒舌すぎる。いっそのこと喋らせてしまえば、まだ面白かった。
- ある事件の背景を、登場人物たちが「会話」で説明してくれる。
- 複雑にみえる構成も「偶然って不思議ね」程度の意味しかない。実は、都合のいい部分をつなげているだけなので、それほど複雑でもない。
ただ、「最高時速240キロの場所から物語が始まる」という書き出しは素晴らしい。気障だけど格好いいし、はまっている。これが本書のすべてだと思う。